精神療法とは、医師が心理的側面から患者さんの心身に働きかけることによって治療をしていく療法のことをいい、英語ではサイコセラピーと表記されます
(なお臨床心理士が行う場合には心理療法と言われています)。
しばしば誤解されてカウンセリングと混同されることがありますが、まったく別のものです。
カウンセリングは現実的相談や指導を行うものですが、精神療法では医師と患者さんとのやり取りによって、あるいはコミュニケーションの深まりから心の襞(ひだ)に分け入ることによって、患者さん自らが症状や疾患の基になっている問題や歪みに気づき、健康と現実適応に向かうのを助けるようにします。
また、それまで患者さんが心の奥に抑圧していた気持ちや感情を表現させてカタルシス(気持ちがスッキリすること)が生じることや、新たなものの見方の発見を促したりします。
傾聴と言葉によるコミュニケーションが主になりますが、場合によっては絵画や詩歌などの表現媒体を用いることもあります。
さらに、必要に応じて、あるいは症状に応じて、お薬を処方することもあります。
これは精神療法をより進みやすくするためのものです。
また、精神療法と共に行う服薬はお薬の効果を高めます。
お薬の作用と精神療法とは相補的に作用し(互いに足りないところを補い合う)、より有効に治癒に導くのです。
精神疾患や症状の中には、どうしてもお薬を使わないと良くならないものもあります。
その場合にはお薬が絶対に必要になりますが、そうした場合でも、患者さんの苦しみを支える精神療法が治癒的に作用します。
逆に、お薬にばかり頼っていると、見かけ上は楽になっても、症状や心の奥にある問題点がいつまでも解消されません。
また、薬物に依存的になっていく危険性もあります。
したがって、精神療法を主体にして、付随的にお薬を使うというのが、本来の心の病や精神疾患の治療なのです。
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